箕面青年会議所11月公開定例会の特別講演
キッザニア流エデューケーション(学び)ー体験のすすめーに出席してきました。
講師 住谷栄之資氏 (すみたにえいのすけ)は、現在、
(株)キッズシティージャパン代表取締役社長 兼 CEOで、
メキシコ発と言われているキッザニアを、日本に作った人です!
住谷氏は、なんと箕面市の出身。会場のメイプルホールに近いご自宅で、小1~高3まで過ごされたそうです。
住谷氏の子供時代は、よく遊んでいて、塾はなかったし、学校が始まる前も放課後もよく遊んだそうで、
地域の人たちとのいろんな交流もずいぶんあったし、物騒なこともなかったとのこと。
現代の事件が起こる背景には、地域のコミュニケーションも不足しているし、食生活が変わったことが原因だと思っておられるそうです。時給率が40%を切っている現状が、深刻であるとおっしゃられておりました。
そして、箕面市立第一中学校時代には2年間サッカーをし、3年から水泳に転向、池田高校で始めた水球で大学には全日本代表選手になられたというから、驚きです。筆者の先輩でした。なんだか一気に親近感がわき、嬉しかったです。
慶應義塾大学商学部卒業は、旅館・ホテルなど観光事業に携わり、後々そのときの経験が財産となったそうです。
独立して事業を興したときは、二人で共同事業者となり、ケンタッキーフライドチキン、ハードロックカフェ、カプリチョーザを展開する。37年間外食事業に携わってこられました。
2004年5月1日友人に連れられメキシコにいき、キッザニアの施設と出会います。その後、お孫さんを連れて2回行き、参考にしながらキッザニアを始めることになったそうです。
キッザニアのコンセプトは、エデュテイメント。
【エデュケーション(教育)とエンターテイメント(楽しみ)の造語】
住谷氏がおっしゃられるには、
日本はものづくり以外、小売り、ホテル産業、金融、証券、レストラン産業など、どれをとっても世界に出てるものはなく、日本の教育が、ものつくりを中心になっている。
現在の子供たちは、理想の子育てと現実の子育てがギャップがある状態。
たくさん遊ばしたいけれど、いい学校に行く、いい仕事に就くには、塾通いが必要だったりする。
家庭で、子どもたちに役割と責任をもって、させている仕事がありますか?
家での仕事が、勉強だけになっておられませんか?
家庭で、役割をもって育つことで、大人になって社会の中で生きるということは、役割や責任があることだということを身につけている人になります。
自分で考えて、自分で行動する。
自分でできることは、自分で何でもする。
ということを、身につけておく。
ちょっと応用、ちょっと知恵を働かせるということが、日本の文化になくなっている。
半分、学問や知識、半分、社会制を身につけてほしい。
小さいうちに人間の感情や、生の人間関係を体験していてほしい。
キッザニアについて
500種類のアクティビティを体験できる施設。
80種類の職業体験が本当のスポンサーから体験できる。
キッザニアのスタッフは、実際スポンサーのところで、トレーニングを積んで子どもたちに教えている。
リピーターが7割。1回約5つの体験ができる。1つ30分ぐらいで、待ち30分くらい。
1つ働くと、8キッゾもらえて、デパートで買い物をしたり、サービスを受けたり、(運転免許所で免許を取ったり、レンタカーを借りたり、花屋さんでフラワーアレンジメントを教えてもらったりできる。)
銀行で、貯金をしておくことができる。利息もちゃんと付きます。(年間10%)
証券会社がはいっているので、投資を勉強することもできる。
学ぶのが頭からでなくて、実際に体験することができる。そういうチャンスがとっても大事。
きづきの場面。
子供たちは、1回の30分では、うまくできないことから、くやしくて再度挑戦したり、自分でハードルをつくっている。
アウトオブキッザニア では、自然体験をする機会を設け、
キッザニア東京では、環境省とタイアップし、森の間伐や古民家を利用した宿舎を営んでいるとこで体験。エコを体験して帰る。
キッザニア甲子園では農林水産省とタイアップして、おいしいニッポン、時給率をまなび、食育がテーマ。10月に実施した。
キッザニアは15歳で卒業。その卒業した子どもたちが、経験をいかして就職して発揮してくれたら嬉しいと住谷氏はおっしゃられました。
キッザニアは、今後も日本で4カ所ほど増やし、展開していく予定。世界でもドバイ、韓国、チリ、バンコク、などで展開することになっています。
利用者の声(お手紙を朗読)
引っ込み思案の男児。ラジオのDJをやってみたいと、体験。自信がついたのか、新学期に放送委員に立候補。苦手な徒競走にも結果が出た。
自信を持つということが、いろんなことに発揮する事例でした。
質疑応答では、
大人も体験できるような仕組みは、できないのですか?と言う質問に、
スポンサーは、大人だけで年2回体験できる。
キッザニアでは、親に干渉されないで、自由に体験できるということを大事にしている。
親御さんは、ぜひ客観的に子供たちが体験している様子を観察してほしい。と言う解答でした。
そして、経営者としての住谷氏の経験談より、
新卒の人をどんなに教育しても、限界がある。
仕事に関わることは、学校で習ったことがない、五感を磨いて学ぶこと。
ということは、筆者個人の少ない経験からも、今まで感じてきたことと共通するのでした。
また、実際にキッザニアに来ていた子供たち(映像)の感想は、「将来の夢に役立ちそう!!」というから、筆者は、びっくりしました。早くから将来の夢を見つけている子どもは、目的意識が高いため本当に夢を実現しやすいというデータもあるのです。将来の夢を選んでいるようなこの子どもたちが、たのもしく感じました。
住谷氏の言葉の中で、
『自分の考え方に自信をつけるチャンスが大事。』
と言う言葉が、とても共感できて大変印象的でした。
最後に、この住谷氏の講演を聞いて、浮かんで来たのが、
私自身の個人的な意見ですが、
子どもを育てるのに、なにが大切か?
「親が子供を信用すること。」
なんじゃあないのかなぁ・・・と、思いました。
しかし、常日頃思うのは、子育ての正解がわかるのは、子どもが成人した時に、いろんな人を見て、また親になったり、世界をひろげたとき、
子どもに、子育てが正解だったね!とか、失敗やったね。とか評価されるときがくるような。
伝える側からの気持ちだけでなく、伝え方、伝わった気持ちだけが、伝えたことになるので、
どれだけ、どういう風に伝わったか?は、子ども自身に教えてもらわないと、
わからないことだと思うのです。
講演はとっても勉強になりました。早速子どもを信じて、どういう体験をするのか?も、子どもに任せて、キッザニアに行こうと思います。
有光 いちか
【情報】
箕面青年会議所11月公開定例会の特別講演
キッザニア流エデューケーション(学び)ー体験のすすめー
講師 住谷栄之資氏 (すみたにえいのすけ)
(株)キッズシティージャパン代表取締役社長 兼 CEO
主催 社団法人箕面青年会議所
後援 箕面市教育員会